加⼯応援カタログ
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137資 料Technical Note 金属へ穴を明ける場合■加工上の問題点シンニング=穴あけ時の推力のほとんどはチゼル部で消費されている。チゼルポイントで受ける切削抵抗をより少なくする。難削材ほどシンニングが大切に成る。下穴の効用=チゼル部のスクイ角はマイナス~0°程度の為、推力を大幅に減少させる。そこで、求める径のドリルの芯厚と同等の下穴を明ける。これ以上の径で下穴を明けても効果はほとんど変わらない。(流れ形切削部分で加工する)ステンレスの加工=切れ味の良い刃物で加工しないと表面に加工硬化層が約0.1mm厚で発生する。特にタップの下穴用は切れ味の良いドリルでないとタップ立てに苦戦する。真鍮の加工=樹脂板の様に焼けや欠けは出ないが、汎用ドリルでは刃の食い込みによる材料の持ち上げが起こる。樹脂加工と同様、食い込みを抑えた刃先形状が良い。関連掲載 ドリル・タップP84~現  象主 な 原 因 主 な 対 策ドリルの入り際で少し、抜け際で大きく欠けが発生する刃形や加工速度が不適合。ドリル外周コーナーの鋭利さと平滑度が悪く、穴側面を荒らしている。切削屑で穴側面を擦っている。加工後、ドリルが戻る時に外周コーナーか切削屑で傷を付けている。材料の厚みと先端角が合っていない。ドリルセンターがずれている。刃先が鈍角形に成っているか刃の食い込みが悪い。先端角が鈍角形に成っている。弾力性と強度の有る材料の場合、切削屑が切れないと共に材料が持ち上がり易い。加工条件が全ての地点で変化し一様でない。小径穴の後、大径の段穴加工を行った。透明アクリル加工の場合、穴側面が白く濁った状態に成る穴の抜け際から少し上で微かな輪形の筋が入る板を重ね明けする場合、次の板加工へドリルの移行に抵抗が有る。穴あけ終了時、丸いボタン状の屑が残り、作業上支障を来たす。ナイロン等への穴明け時、切削屑が巻き付くと共に材料が持ち上がり、作業が困難。丸パイプへの穴明けがうまく行かない。二工程で段付穴の加工を行うがうまく出来ない。ビビって三角穴になる。入り際や抜け際での加工速度を遅くする。ドリルの肩を60°程度鋭角に面取りする。逃角を浅くし、刃の食い込みを抑える。ドリル外周コーナーを「刃物の三要素」に適合するよう丁寧に仕上げる。加工状況を目視しながらドリルを上下(ステップフィード)させ、切削屑を断続的に排出する。(手動による目視作業)外周コーナーをなだらかな円弧状(Rを付ける)に修正する。薄板の場合は先端角が180°(一文字)に近い鈍角形ドリルを使用する。ドリルのセンターを正確に出す。先端角を少し鋭角に修正するか三番の逃げ角を大きく取る等、刃の食い込みを良くする。主軸の回転数を周速15m/min程度に落とす。(通常は周速30m/min程度)先端角を少し鋭角に修正する。刃の食い込みを防ぐため、スクイ角(起こして折れ形切削にする)か二番逃げ角(浅くする)かいずれかを修正する。送り込みを断続的に止め、切り屑を短く切断する。汎用ボール盤の様な加圧送り式で対応するのは困難。定量送りが可能なNC機で加工する。又は、長いセンター付き段付きドリルや特殊ホールソーで加工する。加工工程を逆にする。(穴明け加工の基本として、常にドリルのセンターが働く状態で加工する)

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